棒針編みの作り目の種類と使い分け!作品が美しく仕上がる選び方のコツ
こんにちは、クラフターズのやっしーです!(・∀・)
棒針編みを始めるとき、一番最初に行う作業が「作り目」です。本やレシピを開くと、当たり前のように「一般的な作り目で〇目作る」「指でかける作り目をする」と書かれていますよね。しかし、棒針編みの作り目には実にたくさんの種類が存在します。
「どれを使っても見た目はそんなに変わらないんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は作り目の選び方ひとつで、完成した作品の美しさや使い心地、伸縮性が劇的に変わります。裾がピーンと突っ張ってしまったり、逆に波打ってだらしなくなったりする原因の多くは、作り目の選択ミスや手加減にあるのです。
今回は、棒針編みでよく使われる代表的な作り目の種類とそれぞれの特徴、編むアイテムに合わせた使い分けの基準を詳しく解説します。私が実際に編む中で身につけた失敗を防ぐコツもたっぷり詰め込みましたので、ぜひ作品作りの参考にしてください!
なぜ作り目の使い分けが大切なのか?
棒針編みの作り目は、単に「編み始めるための土台」というだけではありません。作品の端(エッジ)としてそのまま外側に残る部分であるため、見た目の印象を決定づける重要な役割を持っています。
作り目を使い分ける最大の理由は「伸縮性のコントロール」と「仕立ての美しさ」です。たとえば、セーターの裾やニット帽の被り口のように、頭や体を通すためにしっかり伸びてほしい場所があります。そこに伸縮性のない硬い作り目をしてしまうと、着るときに糸が引きつれて着心地が悪くなり、最悪の場合は糸が切れてしまいます。
一方で、ブランケットの縁やマフラーの端のように、伸びすぎると形が崩れてしまうアイテムもあります。適度な張りを持たせて型崩れを防ぎたい場所には、しっかりと締まりのある作り目が求められます。編みたい作品が「伸びてほしいのか」「しっかり形を保ちたいのか」、あるいは「後から別のパーツを編み足したいのか」によって、選ぶべき作り目は明確に異なります。
代表的な棒針編みの作り目4種類の特徴と使い分け
棒針編みには世界中で何十種類もの作り目が存在しますが、日本の編み図で登場する主要なものは数種類に絞られます。まずは、これさえ覚えておけば困らない基本の4種類を整理しましょう。
1. 指でかける作り目(一般的な作り目 / ロングテール・キャストオン)
編み物の本で単に「作り目」と書かれている場合、大半はこの「指でかける作り目」を指します。海外ではロングテール・キャストオン(Long-Tail Cast-On)と呼ばれ、世界中で最も親しまれているスタンダードな技法です。
親指と人差し指に糸をかけ、棒針を使って目を拾いながら作っていきます。この技法の素晴らしい点は、適度な伸縮性と強度を兼ね備えており、ほどよい厚みを持った綺麗な端が出来上がる点です。メリヤス編み、ガーター編み、模様編みなど、どんな編み地にも自然になじみます。
ただし、初心者が最もつまずきやすい弱点もあります。それは「最初に必要な糸端の長さを正確に見積もらなければならない」ということです。糸端が短すぎると途中で足りなくなり、最初からやり直す羽目になります。逆に長すぎると、高価な毛糸を無駄にしてしまうストレスがあります。
2. 別糸の鎖編みから拾う作り目(後からほどく作り目)
作品を編み進めたあと、編み始めの作り目をほどいて生きた目を出し、反対方向へ編み進めたいときに使う技法です。編み物用の別糸(捨て糸)を使い、かぎ針で鎖編みを編み、その「裏山」を棒針で拾って本番の糸で編み始めます。
セーターの身頃を編む際、身頃本体を先に編んでから裾のゴム編みを下に向かって編みたい場合や、ネックウォーマーなどの端同士を後からメリヤスはぎで繋いで輪にしたい場合に必須となります。
この作り目のメリットは、後から自由な技法で端の処理ができる点です。作り目の段階で伸縮性を気にする必要がなく、編み終わった後にゴム編みの伏せ止めなどを行えるため、非常に完成度の高い作品に仕上がります。
3. 共糸で鎖編みを編んで拾う作り目(かぎ針を使う作り目)
作品と同じ毛糸(共糸)を使い、かぎ針で鎖編みを編みながら棒針に目をかけていく、または鎖を編んでから裏山を拾う技法です。棒針に直接かぎ針で編みつけていく方法は「クロッシェ・キャストオン」とも呼ばれます。
仕上がりの端が美しい鎖編みのチェーン状になり、棒針の編み終わり(伏せ止め)と非常によく似た見た目になります。そのため、編み始めと編み終わりの両端の見た目を揃えたいマフラーやブランケットに最適です。
また、糸端を長く残す必要がないため、「指でかける作り目」のように糸が足りなくなる恐怖がありません。玉から直接糸を引き出しながら編めるので、目数が数百目もあるような大判ショールでも安心してスタートできます。
4. 巻き目(巻き増し目)の作り目
指に糸をくるりと巻きつけ、棒針にループをくぐらせていくだけの最もシンプルな作り目です。道具もテクニックもほとんど不要で、一瞬で目を作ることができます。
しかし、この巻き目は端としての強度が非常に弱く、だらんと伸びやすいという致命的な欠点があります。そのため、セーターの裾やマフラーの編み始めのような「作品の土台」として使うのはおすすめできません。
巻き目の真価が発揮されるのは、編んでいる途中で目数を増やす場面です。たとえば、丸ヨークセーターの袖分けで「脇の下に4目作る」場合や、ミトンの親指の穴を作る場合、ボタンホールの隙間を作る場合など、編み地の途中に追加する目としては手軽で大活躍します。
美しく伸縮する!ゴム編みの作り目(1目ゴム編み・2目ゴム編み)
ニットの袖口やネックライン、靴下の履き口といえば「ゴム編み」です。ゴム編みには、その伸縮性を100%引き出すための専用の作り目が存在します。
一般的な作り目でゴム編みを編むと、端に一本の硬いラインが走ってしまい、ゴム編み特有のバネのような伸び縮みが制限されてしまいます。一方、ゴム編みの作り目を使うと、編み地の表目と裏目がそのまま端をくるりと回り込む構造になるため、既製品のセーターのようにどこまでも伸びて綺麗に戻る仕上がりになります。
ゴム編みの作り目を作る2つのアプローチ
- 指にかけるゴム編みの作り目:表目用と裏目用で糸を拾う方向を変えながら針にかける技法。手早く作れる反面、指の動かし方に慣れが必要。
- 別糸を使うゴム編みの作り目:別糸で半分の目数を作ってから、共糸で袋編みを数段編み、目を交互に割り振って作る技法。工程は多いが均一で非常に美しく仕上がる。
ゴム編みの作り目は、初心者の方にとって最初の大きな難関になりやすい技法です。針の入れ方が複雑で、「表目と裏目が逆になってしまった」「目がねじれてしまった」というトラブルが頻発します。
私なら、編み物を始めたばかりの最初のうちは無理に挑戦せず、「指でかける一般的な作り目をゆるめに作る」か「少し太い号数の針で作り目をする」方法で代用します。まずは棒針の扱いに慣れてから、作品のクオリティを一段階上げたいタイミングで練習するのが挫折しないコツです。
アイテム別!迷ったときの作り目選びの基準
いざ作品を編もうとしたとき、「この作品にはどの作り目がベストなのか」迷うことがよくあります。ここでは、代表的なアイテムごとに私が実践している選び方の基準を整理しました。
| マフラー・ショール | 共糸の鎖から拾う作り目 | 編み終わりの伏せ止めとエッジの見た目が揃い、端が均一に整うため。 |
|---|---|---|
| セーター(身頃) | 別糸の鎖編みから拾う作り目 | 身頃を編んだ後に裾の長さを微調整でき、ゴム編みをきれいに編み下ろせるため。 |
| ニット帽(かぶり口) | ゴム編みの作り目 または 一般的な作り目 | 頭を通すための高い伸縮性が必要。難しければ一般的な作り目を太い針で行う。 |
| ミトン・手袋の指先 | 巻き目の作り目 | 編み地の途中で少数の目を手早く足すのに最も適しているため。 |
| ブランケット | 指でかける作り目 または 鎖から拾う作り目 | 適度な強度があり、外周が伸びて波打つのをしっかりと防止できるため。 |
編み図に特定の作り目が指定されている場合は、デザイナーの意図(伸縮性を出したい、後から接ぎたいなど)があるため、原則として指定に従うのが確実です。しかし、指定がない場合やアレンジしたい場合は、上記の表を基準に選ぶと失敗がありません。
初心者が必ず直面する「作り目の失敗」と解決策
作り目は編み地の基礎になる部分だからこそ、ほんの少しの手加減の狂いが後々の編みやすさに直結します。初心者がやりがちな代表的な失敗と、その具体的な対策を見ていきましょう。
失敗1:作り目がきつすぎて、1段目が編めない
一番多いお悩みが「作り目を引き締めすぎて、次の段で針がまったく入らない!」という現象です。目を綺麗に揃えようと意識するあまり、針に糸をギュッと強く巻き付けてしまうことが原因です。
解決策は極めてシンプルです。作り目を作るときだけ「本番の指定針より1〜2号太い針」を使うか、「針を2本重ねて持ち、2本まとめて作り目をかける」方法を取り入れてください。目を作った後に余分な1本をスッと引き抜けば、針を通すためのゆとりが自動的に生まれます。これだけで、1段目を編むストレスが完全に解消されます。
失敗2:指でかける作り目で糸端が足りなくなる
100目の作り目をしていて、90目あたりで糸端が無くなってしまったときの絶望感は誰もが経験します。目分量で糸端を取ると、ほぼ確実に失敗します。
糸端の長さは「作りたい編み地幅の約3倍〜4倍 + 糸始末用の20cm」を用意するのが鉄則です。たとえば、幅40cmのマフラーを編むなら、40cm × 3.5 = 140cm、そこに糸始末分の20cmを足して「160cm」の糸端を取ってからスタートします。
もっと確実な裏技として、棒針に毛糸を「作りたい目数と同じ回数」くるくると巻き付け、その長さ分を引き出して糸端にする方法もあります。これならどんな太さの毛糸でも正確に必要な長さを割り出せます。
失敗3:別糸の鎖編みがきれいにほどけない
後からほどく作り目で、いざ別糸をほどこうとしたら途中で絡まってハサミで切る羽目になった、というトラブルも頻発します。
この失敗を防ぐポイントは「別糸の素材選び」です。本番で編む毛糸と同じ毛糸を使ったり、モヘアのような毛羽立ちの多い糸を別糸に使うと、繊維同士が絡まり合って絶対にほどけなくなります。
別糸には、毛羽立ちが一切なくツルツルとした「綿(コットン)のスムースヤーン」やレース糸を選んでください。さらに、本番の毛糸と全く違うコントラストの強い色を選ぶことで、拾うべき裏山とほどくべき鎖がハッキリ見分けられるようになります。
作品のクオリティを高める私なりのこだわり
私が棒針編みで作品を仕上げるとき、作り目に関して常に意識しているマイルールがあります。それは「作り目の段階で、作品の着地点をイメージしておくこと」です。
編み図に「指でかける作り目」と書かれていても、もしその作品がふんわりとした柔らかいストールなら、端がキュッと締まるのを防ぐために、あえてかぎ針を使った鎖の拾い出しに変え、手加減をたっぷり緩めて編み始めます。
逆に、しっかり荷物を入れるトートバッグや小物を編むときは、伸びを徹底的に抑えたいので、号数を上げずに指でかける作り目をしっかり引き締めて作ります。レシピの指定をそのままなぞるだけでなく、「仕上がったときにどんな手触りや使い心地にしたいか」を考えて作り目を微調整できるようになると、編み物の楽しさと作品の完成度は一気に跳ね上がります。
まとめ:最適な作り目を選んでワンランク上の手編みを楽しもう
棒針編みの作り目は、作品の編み始めであると同時に、編み地のクオリティを根底から支える大切なファーストステップです。
万能で安定感のある「指でかける作り目」、後からの調整や仕立てに便利な「別糸の鎖編み」、端が綺麗に揃う「かぎ針の作り目」、そして編み途中の増し目に重宝する「巻き目」。それぞれの強みと弱点を理解して適材適所で使い分けられるようになれば、端の引きつれや型崩れとはもう無縁です。
最初は慣れている方法ひとつからで構いません。新しい作品を編むたびに「今回はこの作り目を試してみようかな!」と少しずつ引き出しを増やしていってくださいね。自分の手で思い通りの端を作り出せる心地よさを、ぜひ味わってみてください!
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ではでは、また次の記事でお会いしましょう!クラフターズのやっしーでした!

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