タティングレースのシャトルの使い方と基本動作のコツ
こんにちは、クラフターズのやっしーです!(・∀・)
繊細で美しいレース編みの世界。その中でも、小さな舟形の道具を使って結び目を作っていく「タティングレース」は、場所を取らずにどこでも楽しめる大人気のハンドメイドです。
ですが、タティングレースを始めようとするとき、最初に立ちはだかる大きな壁が「シャトルの扱い方」です。編み針とはまったく違う独特の形をしており、どうやって糸を巻いて、どう手元を動かせばいいのか戸惑う方がとても多くいます。
私自身も、初めてシャトルを手にしたときは「どうして結び目が移動するの?」「糸が引っ張れなくなって固まった!」と何度も頭を抱えました。タティングレースは独特の仕組みさえ頭と手で理解できれば、驚くほどスルスルと軽快に編めるようになります。
今回は、タティングレースの基本中の基本であるシャトルの使い方を、糸の巻き方から持ち方、そして最重要テクニックである「目の反転」まで、詳しく分かりやすくお伝えします!
タティングレースのシャトルとはどんな道具?
シャトルは、タティングレースで糸を保持し、結び目を通すための舟のような形をした小さな道具です。織物で横糸を通す「杼(ひ)」と同じ語源を持っています。
一般的な編み物で使う「かぎ針」や「棒針」は、針先で糸を引っ掛けてループを引き出す道具ですが、シャトルは「糸巻き」と「結び目を作るためのガイド」のふたつの役割を同時にこなします。編み進めながらシャトル本体を手のひらの輪の中にくぐらせるため、この独特の薄い流線形をしています。
手芸店やネットショップではさまざまなシャトルが並んでいますが、まずは代表的なタイプとそれぞれの特徴を知っておきましょう。
シャトルの主な種類と選び方
タティングレースのシャトルには、大きく分けて3つのタイプが存在します。
- クラシックタイプ(標準型):先端が尖っており、中央の芯に直接糸を巻き付ける最もスタンダードな形です。薄くて持ちやすく、初心者から上級者まで幅広く使われています。
- 角(ツノ)付きタイプ:先端にかぎ針のような尖ったツノが付いているタイプです。編み目同士をつなぐ「ピコットつなぎ」をするときに、別のかぎ針を用意しなくてもツノで糸を引き出せるため、作業効率が抜群です。
- ボビン式タイプ:中央にミシンのようなボビンがセットされており、ボビンに糸を巻いてから本体にセットするタイプです。ミシンで糸を巻くこともでき、糸の引き出しがとてもスムーズという長所があります。
初心者が最初に手にするなら、迷わず「角(ツノ)付きのプラスチック製シャトル」をおすすめします。角があるだけで、途中でレース針やつなぎ用のかぎ針に持ち替える手間が省け、手の動きに集中できるからです。
失敗しないシャトルへの糸の巻き方
シャトルを使う最初のステップは、糸を巻く作業です。ここにもタティングレースならではの明確なルールがあります。
適当にぐるぐると巻き付けてしまうと、後から糸が出てこなくなったり、編んでいる最中にカチカチと嫌な音が鳴り続けたりします。手順を追ってきれいに巻きましょう。
糸を巻く手順
- シャトルの中央にある芯の穴に、外側から糸端を通します。
- 通した糸端を小さな固結びにして芯にしっかりと結び留め、余分な糸端を数ミリ残してカットします(穴がないタイプの場合は、芯に二重に固結びして滑らないように固定します)。
- シャトルの先端の隙間から糸を外に出し、一定の力加減で芯に巻き付けていきます。
- 巻く方向は常に一定にし、左右の上下どちらかに偏らないよう、芯の中央に均等に糸を重ねていきます。
巻きすぎはトラブルの元!適切な量の見極め方
初心者が一番やりがちな失敗が「糸が途中で足りなくなったら困るから」と、限界までパンパンに糸を巻いてしまうことです。これは絶対に避けてください。
シャトルの両端の尖った部分は、編んでいる最中に糸が勝手に出てこないよう、カチッと合わさる構造になっています。糸を巻きすぎてシャトルの外枠の幅(エッジ)よりも糸が盛り上がってしまうと、シャトルの先端が開きっぱなしになり、編み目をくぐらせるときに他の糸に引っかかって作業が止まります。
糸を巻く量は「シャトルの厚みの内側にしっかり収まる高さまで」が鉄則です。目安としては、芯の高さの7〜8分目程度で留めておくのが最も扱いやすく、トラブルが起きません。
シャトルの正しい持ち方と手の構え
糸を巻き終えたら、次はシャトルの持ち方と両手の構え方を覚えます。タティングレースは、左手と右手がまったく異なる役割を持ちます。
ここを適当にしてしまうと、後で手首や指が痛くなったり、結び目がきれいに整わなくなったりします。基本のフォームをしっかり身につけましょう。
右手:シャトルを持つ手
右手はシャトルを操作する手です。右手の親指と人差し指の腹で、シャトルの平らな中央部分を軽く挟むように持ちます。
このとき、シャトルの先端(ツノがある方)は常に「左側(左手に向かう方向)」を向くように構えます。糸はシャトルの後ろ側から手の甲側へ流れる向きにして持ちます。
指先でガチガチに握りしめてはいけません。シャトルは後で親指と人差し指の間を滑らせるように回転させたり、手のひらの中でくぐらせたりするため、卵を優しく包むようなリラックスした力加減で保持します。
左手:編み目を作る土台の手
左手は、結び目を受け止めて形を作る「土台」となる手です。右手に持ったシャトルから糸を40〜50cmほど引き出します。
引き出した糸を左手の親指と人差し指でしっかりつまみ、残りの指(中指、薬指、小指)の外側にぐるりと糸を回して、手の甲側に大きな輪(ループ)を作ります。そして再び親指と人差し指の間に糸を戻して挟みます。
このとき、中指を軽くピンと立てて輪の糸にテンション(張り)をかけるのが決定的なポイントです。中指の張りが緩んでいると、結び目が正しい位置に作れません。
最重要!シャトルの基本動作と「目の反転(フリップ)」
タティングレースの編み目は「表目(ファーストハーフ)」と「裏目(セカンドハーフ)」のふたつが合わさって1目(ダブルステッチ)になります。
そして、タティングレースにおいて初心者が全員ぶつかる最大の関門が「目の反転(フリップ)」です。ここを仕組みとして理解できるかどうかが、タティングレースをマスターできるかどうかの分かれ道です。
タティングレースの編み目の正体とは?
多くの初心者が「シャトルの糸を結んで編み目を作っている」と勘違いしています。ですが、それは完全な間違いです。
実際には「シャトルから出ている糸は芯糸(芯になるまっすぐな糸)であり、左手の輪の糸がシャトルの糸に巻きついて結び目を作っている」のです。つまり、結び目を構成しているのは左手の糸です。
シャトルをくぐらせた直後は、シャトルの糸が左手の糸に巻きついています。これを「クッ」と引き合って、結び目の主導権を左手の糸へとパチンとひっくり返す動作、これこそが「反転(フリップ)」です。
表目のシャトルの動かし方
まずは表目の具体的な動作です。右手と左手の呼吸を合わせて行います。
- 右手のシャトルから出ている糸を、右手の甲側へふわりとたるませて輪を作ります。
- 左手の指に張った輪の糸の「下」から、シャトルを前側へくぐらせます。
- くぐらせたシャトルを、今度は右手の甲側にたるませていた糸の輪の「上(中)」を通すようにして手前へ引き抜きます。
- ここからが反転です!右手を右方向へまっすぐピンと引っ張り、シャトルの糸を完全に一直線に張ります。
- シャトルの糸を張った瞬間、左手の中指の力をフッと一瞬だけ抜きます。
- すると「コキッ」または「パチン」というわずかな手応えとともに、結び目がシャトルの糸から左手の糸へと乗り移ります。
- 乗り移ったのを確認したら、緩めていた左手の中指を再びピンと立てて、結び目を親指と人差し指の根元までスライドさせて引き締めます。
裏目のシャトルの動かし方
表目ができたら、次はペアになる裏目を作ります。くぐらせる順番が逆になります。
- シャトルから出ている糸を手前にたるませておきます。
- 左手の輪の糸の「上」をシャトルで越えるようにして向こう側へ倒します。
- 今度は左手の輪の糸の「下」をくぐらせて、手前へシャトルを引き戻します。
- 表目と同じく、右手をまっすぐピンと引いてシャトルの糸を一直線に緊張させます。
- 右手のテンションを保ったまま、左手の中指の力を一瞬緩めます。
- 結び目がパチンと反転したら、左手の中指をピンと立てて、先ほど作った表目の隣へピタッと引き寄せます。
これで表目と裏目が揃い、1つの「ダブルステッチ」が完成します。表目と裏目が合わさると、上部に小さな横棒(ループ)が1本綺麗に並びます。
初心者が絶対につまずく失敗と解決策
シャトルを動かしていると、誰もが必ず一度は経験するトラブルがあります。原因を知っていれば、焦らずにその場で修正できます。
結び目が反転したかどうかの見分け方
自分が編んだ目が正しく反転しているかどうかは、非常に簡単な方法で確認できます。
右手でシャトルを軽く引き引っ張ったときに、「シャトルの糸が結び目の中をスルスルと自由に動くかどうか」を確かめてください。
シャトルの糸がスムーズに動いて左手の輪が小さくなるなら、100%大成功です。正しく反転しています。
もしシャトルを引いても糸がガチッと固まってまったく動かない場合、反転に失敗しています。左手の糸ではなく、シャトルの糸自身が結び目になって芯を締め付けてしまっている状態です。
目が反転しないときの原因と直し方
目が反転しない原因は、例外なく「右手の引きが甘い」か「左手の力を緩めていない」のどちらかです。
- 右手が緩んでいる:右手のシャトルの糸は、針金のようにピーンと一直線になっていなければなりません。右手が少しでもたるんでいると、結び目は絶対に反転しません。
- 左手に力が入りすぎている:左手の中指に力が入ったままだと、左手の糸が突っ張ってしまい、シャトルの糸を抱え込むことができません。右手を引っ張る瞬間だけ、左手中指の力を完全に抜くのがコツです。
もし反転に失敗して固まってしまったら、シャトルの角(または針先)を使って、直前の結び目を優しく広げてください。無理に引っ張ると糸が潰れてほどけなくなるので、結び目のループを少しずつ持ち上げて元の状態に戻しましょう。
ピコットの作り方とシャトルの引き締め加減
基本のダブルステッチができるようになったら、タティングレース特有の装飾である「ピコット」を作ります。ピコットは、レースの縁にある小さな輪っかのことです。
ピコットを作る手の動き
ピコットの作り方はとてもシンプルです。特別な結び方をするわけではありません。
- 直前の目を作った後、次の表目を作るときに、前の目と少しすき間(数ミリ程度)を空けた位置で反転させて固定します。
- 続けて裏目を作り、1目を完成させます。
- その新しく作った目を、左手の指を使って直前の目に向かってグッとスライドさせて押し寄せます。
- すると、間に空けておいたすき間の糸が上へと押し出され、ピョコッと小さな輪っかが立ち上がります。これがピコットです。
引き締めの強さは均一にするのが美しさの秘訣
タティングレースの仕上がりの美しさは、目の引き締め加減が揃っているかどうかで決まります。
ぎゅうぎゅうと親の仇のように強く締め付けすぎると、芯糸が引っ張れなくなって最後の「リングを閉じる」作業ができなくなります。逆に緩すぎると、編み目がバラバラと波打ってしまい、繊細な幾何学模様が崩れます。
目安は「結び目が隣の目に優しく触れて整う程度」です。左手の中指を立てて結び目を引き寄せるとき、毎回同じ手応えで止める意識を持ちましょう。
シャトルの糸を引き出すタイミングと所作
編み進めていると、シャトルから出ている糸がだんだん短くなって作業がしづらくなります。
糸をどのタイミングで、どう引き出すかもシャトル操作の重要なポイントです。
糸を引き出すベストなタイミング
シャトルと左手の距離が短くなりすぎると、シャトルをくぐらせるためのスペースがなくなって手元が窮屈になります。右手の指先からシャトルまでの距離が5〜7cm程度になったら、糸を引き出す合図です。
シャトルを右手に持ったまま、左手で糸を引っ張ってカチッカチッと1〜2回分だけ芯を回して糸を出します。出しすぎると糸がもたついて編みにくくなるので、常に「手の中で邪魔にならず、スムーズにくぐらせられる長さ」を一定に保つのが美しい所作のコツです。
私ならこう練習する!初心者向けの上達ステップ
タティングレースは、いきなり細いレース糸で小さなドイリーを編もうとすると、ほぼ確実に挫折します。目が見えず、反転の感覚も掴めないからです。
私が初心者に教えるとき、あるいは自分が新しい技法を練習するときは、必ず次のステップを踏みます。
ステップ1:太い糸を使って2色で練習する
最初は一般的なレース糸(40番や20番)ではなく、「中細程度のコットン毛糸」や「刺繍糸」などの太い糸を使いましょう。シャトルに入る太さであれば大丈夫です。
さらに効果的なのが「シャトルの糸と左手の糸を別の色にする」ことです。たとえば、シャトルに青い糸を巻き、左手には白い糸を構えます。
正しく反転していれば、芯糸である青い糸の上に、白い結び目が綺麗に並びます。もし結び目に青い色が出てきてしまったら「あ、反転に失敗した!」と一目で分かります。視覚的に成否が分かるため、上達スピードが何倍にも跳ね上がります。
ステップ2:リングを1個だけ綺麗に閉じる練習をする
モチーフを作ろうとせず、「ダブルステッチを4目、ピコット、4目」編んだら、左手の輪から指を抜き、シャトルの糸をスーッと引いて輪をキュッと閉じる練習だけを繰り返します。
全ての目が正しく反転していれば、シャトルの糸を引くだけでスルスルと輪が縮まり、綺麗な涙型の「リング」が完成します。最後まで引っかかりなく閉じられたときの快感は、タティングレースならではの感動です。
まとめ:シャトルの動きを覚えてタティングレースを楽しもう
タティングレースのシャトルの使い方は、理屈さえ掴んでしまえば、決して難しいものではありません。
大切なポイントを振り返っておきましょう。
- シャトルには角(ツノ)付きを選び、糸は外枠からはみ出さない量(7〜8分目)を巻くこと
- シャトルは親指と人差し指で軽く持ち、ツノを左に向けて構えること
- 結び目はシャトルの糸ではなく、左手の輪の糸で作られていると意識すること
- 反転(フリップ)の瞬間は、右手をピンと引き、左手の中指の力を一瞬抜くこと
- 最初は太い糸や2色の糸を使って、反転の感覚を目と手で覚えること
指先のリズムに乗って「カチッ、スッ、パチン」と目が反転して結び目が並んでいく感覚は、一度覚えるとやみつきになるほど楽しい時間になります。
小さなシャトルひとつと糸玉があれば、カフェでも移動中でもどこでも素敵な作品が作れるのがタティングレースの素晴らしい魅力です。ぜひ焦らずに、ひと目ひと目楽しみながらシャトルを動かしてみてくださいね!
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ではでは、また次の記事でお会いしましょう!クラフターズのやっしーでした!

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