棒針編み作品をきれいにブロッキングする方法!歪みを直してプロ級の仕上がりにする手順
こんにちは、クラフターズのやっしーです!(・∀・)
棒針編みでマフラーやセーター、ショールなどを一生懸命編み上げたとき、端っこがくるくると丸まってしまったり、編み目が不揃いでガタガタして見えたりして悩んだ経験はありませんか?
何日も、時には何週間もかけて完成させた作品だからこそ、編み終わった瞬間の「なんだか思っていたシルエットと違う……」というショックは大きいですよね。でも、落ち込む必要はまったくありません。
編み上がったばかりの編み地が不揃いなのは当たり前です。棒針編みの作品は、編み終えた後の「ブロッキング」という工程を経て、初めて本来の美しさと正しいサイズに生まれ変わります。この仕上げ作業を丁寧に行うだけで、作品の完成度は見違えるほど上がります。
今回は、棒針編み作品をきれいにブロッキングするための基礎知識から、素材ごとの最適な方法、必要な道具、失敗しないための実践手順まで、余すところなく詳しくお伝えします!
ブロッキングとは?棒針編みで絶対に省いてはいけない理由
ブロッキングとは、編み上がったニットに水分や蒸気を含ませ、ピンで理想の寸法や形に固定して乾燥させる仕上げ作業のことです。
編み物初心者の方の中には、「編み終わって糸始末をしたら完成!」と思ってしまい、ブロッキングを飛ばしてしまう方が少なくありません。しかし、ブロッキングは料理でいう「最後の味付けや盛り付け」と同じくらい重要なステップです。
ブロッキングで得られる驚きの効果
- 不揃いだった編み目の大きさが均一に整う
- メリヤス編み特有の「端の丸まり」を平らに落ち着かせる
- レース模様や透かし編みの模様がしっかりと開いて際立つ
- 作品全体のサイズやシルエットを指定の寸法通りに補正できる
- 糸の撚りや繊維の毛羽が落ち着き、手触りが柔らかくなる
手編みは、編んでいる最中の手の加減や糸の引き具合によって、どうしても1目ごとのテンション(張力)にわずかなバラつきが出ます。ブロッキングによって水分を含んだ繊維が一度リラックスし、乾く過程で隣り合う目同士が引っ張り合って馴染むため、まるで機械で編んだかのような端正な編み地になります。
ブロッキングの2大手法!ウェットとスチームの特徴
ブロッキングには大きく分けて「ウェットブロッキング」と「スチームブロッキング」の2種類があります。編んだ作品の種類や、使用した毛糸の素材によって最適な手法が変わるため、それぞれの特徴を正しく把握しておきましょう。
1. ウェットブロッキング(水通し)
作品全体を水やぬるま湯に完全に浸し、余分な水分を優しく絞ってからピン打ちをして乾かす方法です。
繊維の芯までしっかりと水分が行き渡るため、編み目の整いやすさは抜群です。特にウール100%の毛糸で編んだセーターのパーツ、繊細な透かし編みのショールなど、全体を大きく広げて固定したい作品にはウェットブロッキングが最適です。
2. スチームブロッキング(アイロンの蒸気)
作品を平らな場所にピンで留めて形を整え、家庭用アイロンのスチーム機能を使って蒸気をたっぷり当てて仕上げる方法です。
水に浸さないため手軽で、乾くまでの時間が短いのが大きなメリットです。編み地の丸まりをさっと直したいときや、マフラー、帽子、小物の仕上げに向いています。
ただし、アイロンの金属面を編み地に直接押し当ててはいけません。熱と圧力でニット特有のふんわりとした立体感が潰れ、テカテカとした不自然な光沢が出てしまいます。必ずアイロンを浮かせ、蒸気だけを送り込むのが鉄則です。
素材別の相性をチェック!毛糸に合わせた方法の選び方
毛糸の原料によって、水や熱に対する強さがまったく異なります。適さない方法で行うと、縮みや型崩れの原因になるため注意してください。
| 毛糸の素材 | 適したブロッキング方法 | 注意点とポイント |
|---|---|---|
| ウール・獣毛(カシミヤ、アルパカなど) | ウェット または スチーム | 急激な温度変化や摩擦でフェルト化(縮み)するため、揉み洗いは厳禁。ぬるま湯を使用する。 |
| コットン・リネン(植物繊維) | ウェットブロッキング | 水を含むと重くなり伸びやすいため、干すときに型崩れさせないよう平干しを徹底する。 |
| アクリル(合成繊維) | スチームブロッキング(弱め) | 熱に弱いため高温アイロンを近づけすぎると繊維が溶けて伸び切る(キル加工状態になる)。 |
| シルク(絹) | スチーム または 軽めのウェット | 摩擦や水シミに弱いため、長時間の浸水は避け、スチームも当てすぎないように手早く行う。 |
混紡糸(ウールとアクリルが混ざった糸など)の場合は、熱や水に弱いデリケートなほうの素材に合わせて作業するのが安全です。判断に迷ったときは、毛糸のラベル裏面に記載されている洗濯表示マークを必ず確認してください。
きれいに仕上げるために用意したい道具
専用の道具を揃えると作業効率と仕上がりの美しさが格段に上がりますが、身近なアイテムで代用できるものもたくさんあります。まずは手元にあるものから試してみるのもおすすめです。
1. ブロッキングマット(ジョイントマット)
ピンを刺して作品を固定するための土台です。編み物専用のグリッド付きブロッキングマットが市販されていますが、100円ショップやホームセンターで手に入るEVA素材のジョイントマットで十分に代用できます。
厚みが1cm以上あるものを選ぶと、ピンがしっかりと奥まで刺さり、引っ張る力に負けずに安定します。
2. 錆びないピン(Tピン・ブロッキングピン)
ピン選びで絶対に妥協してはいけない条件は「ステンレス製など、錆びない金属であること」です。
裁縫用のスチール製まち針を使うと、濡れた編み地と接触している間にサビが発生し、せっかくの作品に茶色いシミを作ってしまう大事故が起こります。必ずステンレス製のTピンや、フォーク型になった専用のブロッキングピンを用意してください。
3. ブロッキングワイヤー(あると劇的に便利!)
細くてしなやかな金属やグラスファイバーのワイヤーです。ショールやマフラーの端の目にワイヤーをスーッと通し、ワイヤーごとピンで留めることで、直線を歪みなくピシッとまっすぐに固定できます。
ピンだけで直線を固定しようとすると、ピンを刺した部分だけが尖って波打ってしまいがちです。長い直線を出したい作品をよく編む方は、持っておいて損のない道具です。
4. メジャーと編み図(製図)
作品の各辺が指定の寸法になっているかを確認するためにメジャーは欠かせません。編み図に記載されている「胸幅」「着丈」「袖丈」などの寸法を手元に控えておきましょう。
5. ウール用洗剤と大判バスタオル(ウェットの場合)
ウェットブロッキングを行う場合は、すすぎが簡単なウール専用洗剤(またはオシャレ着用の中性洗剤)と、脱水時に作品を包み込む吸水性の高い大判バスタオルを2〜3枚用意します。
実践!ウェットブロッキングの正しい手順
それでは、最も編み目が美しく揃うウェットブロッキングの具体的な手順を解説します。繊細なニットを傷めないよう、各ステップを丁寧に進めていきましょう。
ステップ1:ぬるま湯に浸けて優しく吸水させる
洗面器やタライに、30度以下のぬるま湯(触ってほんのり温かい〜常温程度)を張ります。熱すぎるお湯はウールを縮ませる原因になるため厳禁です。
規定量のウール用洗剤をしっかり溶かしたら、畳んだ編み地を静かに沈めます。上から手のひらで優しく押し、芯まで水分を吸わせてください。このとき、揉んだり擦り合わせたりしてはいけません。浸け置き時間は15分〜20分程度で十分です。
ステップ2:タオルドライで水分をしっかり取る
水から引き上げるときは、編み地の一部だけを引っ張って持ち上げてはいけません。水を含んだニットは非常に重く、自重で伸びて変形してしまいます。両手で下からすくい上げるように持ち上げてください。
タライのフチに押し当てるようにして大まかな水を切ったら、広げたバスタオルの上に平らに置きます。海苔巻きのようにタオルごとくるくると巻き込み、その上から足で優しく踏むか、手のひらで体重をかけて水分をタオルへ移します。雑巾絞りは絶対にNGです!
ステップ3:マットの上で形を整えてピン打ちする
ブロッキングマットの上に作品を広げます。まずは手で大まかに全体の形を整え、メジャーで寸法を測りながらピンで固定していきます。
ピンを打つ順番には明確なコツがあります。いきなり端から順番に細かく留めていくと、最後に布地が余って歪んでしまいます。
- 四隅(コーナー)を最初にピンで固定し、全体の輪郭を決める
- 各辺の中央を引っ張りすぎないように留める
- ピンとピンの間のたるみを均等に分散させながら、細かくピンを打っていく
ピンを刺すときは、外側に向かって少し斜め(45度くらい)に傾けて刺すと、編み地が引っ張る力に対してピンが抜けにくくなります。
ステップ4:完全に乾くまで自然乾燥させる
直射日光の当たらない、風通しの良い日陰で乾かします。サーキュレーターや扇風機の風を当てると乾燥時間を大幅に短縮できます。
ここでの最大の注意点は「完全に乾ききるまで絶対にピンを外さないこと」です。わずかでも湿り気が残っている状態でピンを抜いてしまうと、繊維が元の縮んだ状態に戻ろうとして、せっかくのブロッキング効果が半減してしまいます。厚手のニットなら丸1日〜2日ほどじっくり時間をかけて乾かしてください。
手軽にできる!スチームブロッキングの手順とコツ
水に浸す手間を省きたいときや、編み地の一部分だけを素早く整えたいときはスチームブロッキングを活用しましょう。
スチームブロッキングの実践ステップ
- 乾いた状態の編み地をブロッキングマットに置き、指定寸法に合わせてピン打ちする
- アイロンを中温にセットし、スチーム機能を最大にする
- 編み地から2〜3cmほどアイロンを浮かせた状態で、たっぷりと蒸気を吹きかける
- 蒸気が当たって温かく湿った編み地を、手のひらで軽く優しく押さえて熱を定着させる
- 熱と湿気が完全に冷めて乾くまで、そのまま平らな状態で放置する
アイロンの蒸気を当てた直後は繊維がとても柔らかくなっています。この状態で持ち上げたり動かしたりすると伸びてしまうため、冷めるまで動かさないことがきれいに仕上げる秘訣です。
編み地の種類別!きれいに仕上げるテクニック
棒針編みには様々な編み地があります。それぞれの特徴に合わせた力加減を意識することで、風合いを損ねずに仕上げることができます。
メリヤス編み:丸まりを無理に引っ張りすぎない
表目が並ぶメリヤス編みは、編み地の構造上、端がどうしても裏側に丸まる性質があります。ブロッキングである程度まっすぐに補正できますが、無理に左右に強く引っ張りすぎると、編み目が横に広がって不格好になってしまいます。
端の目のすぐ内側に細かくピンを打ち、適度なテンションを保ちながらスチームを長めに当てると綺麗に落ち着きます。
ゴム編み(リブ編み):広げすぎに要注意
セーターの裾や袖口、帽子の折り返しに使われるゴム編みは、伸縮性が命です。ここを他のパーツと同じ感覚で強く引っ張ってピン留めしてしまうと、せっかくの伸縮性が失われ、びろびろに伸びたまま固まってしまいます。
ゴム編み部分はピンを打たずに自然な縮み具合を保つか、軽く形を整える程度に留めて、スチームもごく軽めに当てるのが正解です。
レース編み・透かし編み:しっかり張って模様を開く
掛け目や減らし目を多用したレース模様は、編み上がった直後はシワシワに縮こまっていて何の柄か分からないことがよくあります。レース編みに関しては、思い切ってしっかりと引っ張り、模様の空間を広げるようにピン打ちをしてください。
エッジ(縁)がスカラップ(波型)になっているショールなどは、尖った先端ひとつひとつにピンを打ってピンと張ることで、芸術品のような幾何学模様がくっきりと浮かび上がります。
初心者が失敗しやすい落とし穴と対処法
ブロッキングでよくある失敗パターンと、それを防ぐためのポイントをまとめました。作業前にチェックしておきましょう。
失敗1:ピンを打った部分が尖って凸凹になってしまった
ピンの数が少なすぎると、ピンを刺した1点だけに強い張力が集中し、そこだけが引っ張られてツノのように尖ってしまいます。
ピンはケチらずにたくさん使うのが鉄則です。直線部分であれば1〜2cm間隔で細かく打つか、前述のブロッキングワイヤーを縁に通してからピン留めすると、滑らかな直線に仕上がります。
失敗2:乾いたら左右非対称になっていた
目分量だけでピンを打ってしまうと、乾いてマットから外したときに「右袖のほうが左袖より2cm長い」「襟ぐりが斜めに歪んでいる」といった悲劇が起こります。
必ずマットのマス目(グリッド)をガイドラインにするか、メジャーを当てて中心からの距離を左右均等に測りながらピンを打ちましょう。セーターのパーツなどを編むときは、前身頃と後身頃を重ねてピンを打ち、同じ大きさに揃えるのも有効な方法です。
失敗3:アクリル毛糸がテロテロになって縮まなくなった
アクリルはプラスチックの一種なので、高熱を加えると繊維の分子構造が変化して弾力性を失います。一度熱で伸び切ってしまったアクリル糸は、二度と元のふんわりした状態には戻りません。
アクリル毛糸にスチームを当てる際は、アイロンを編み地から5cm以上離し、低温〜中温でほんの数秒だけ蒸気を浴びせる程度にしてください。
私ならこうする!ブロッキングを快適に続けるための考え方
編み物本を読んでいると「パーツを編むごとにブロッキングをして、とじはぎをしてから、最後に全体をもう一度ブロッキングする」と書かれていることが多く、「そんなに何度もやるのは大変……!」と気が遠くなってしまう方もいると思います。
私がウェアを編むときは、無理に完璧を目指さず、次のようなバランスで進めています。
- パーツを編み終えた段階:端が丸まってとじはぎしにくい部分だけ、スチームでさっと平らに整える
- 組み立てがすべて終わった完成段階:全体をじっくりウェットブロッキングして最終的なサイズと編み目を美しく揃える
とじはぎの前に端の丸まりだけを軽くスチームで落ち着かせておくと、端の目が見やすくなり、すくいとじの作業効率が劇的にアップします。そして、完成後に水通しをすることで、編んでいる間についた手の皮脂やホコリも綺麗に落ちて、清潔で気持ちの良い状態で着用できるようになります。
毎回フル工程で完璧にやろうとすると疲れてしまうので、作品の用途やサイズに合わせて「今はスチームで手軽に」「今回は勝負作だから丁寧な水通しで」と使い分けるのが、長く楽しく編み物を続ける秘訣です。
まとめ:丁寧なブロッキングで棒針編み作品をワンランク上へ!
棒針編みにおけるブロッキングは、単なる乾燥作業ではなく「編み目を整えて作品の真の魅力を引き出す魔法の工程」です。
編み上がった直後は少し歪んで見えたり、端がくるくる丸まっていたりしても、丁寧に水分を含ませてピンで形を固定してあげるだけで、驚くほど美しく均一な編み地に生まれ変わります。
これまでブロッキングを省いていた方も、ぜひ次の作品から取り入れてみてください。自分の手で編んだニットが、まるでショップに並んでいる既製品のように端正なシルエットに仕上がる瞬間の感動は、一度味わうと病みつきになりますよ!
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ではでは、また次の記事でお会いしましょう!クラフターズのやっしーでした!

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