編み物の「とじ・はぎ」完璧ガイド!ゴロつかず伸縮性を残すすくい縫いとメリヤスはぎの使い分け
こんにちは、クラフターズのやっしーです!(・∀・)
棒針編みでセーターやカーディガン、マフラーや靴下などを編んでいるとき、一番最後に待ち構えている大きな山場が「とじ・はぎ」の作業です。
時間をかけて一生懸命に編んだ編み地なのに、脇や肩をつなぎ合わせたら縫い目がゴロゴロして重たくなってしまった、あるいは引っ張ったときに糸がつっぱってしまってニット特有の伸びやかさが失われてしまった、という苦い経験を持っている方は本当に多いです。
私自身もハンドメイドを始めたばかりの頃は、「つなげば何でも同じでしょ?」と思い込んでいて、手当たり次第に巻き縫いでぎゅうぎゅうに縫い合わせてしまい、着心地の悪いカチカチの服を作ってしまった失敗経験があります。
編み物における「とじ・はぎ」は、単にパーツとパーツをくっつける作業ではありません。編み地自体の厚みや伸縮性を殺さず、まるで最初から一枚で編まれていたかのように見せるための非常に重要な技術です。
今回は、代表的なつなぎ方である「すくい縫い」と「メリヤスはぎ」にスポットを当て、それぞれの仕組み、使い分けの判断基準、初心者が陥りやすい失敗と対処法、そしてプロ並みに綺麗な仕上がりを実現するための具体的な考え方を徹底的に掘り下げて解説します!
そもそも「とじ」と「はぎ」の違いとは?基礎知識を徹底整理
技術的な解説に入る前に、まず多くの初心者が混乱してしまう「とじ」と「はぎ」という言葉の意味と違いを明確にしておきます。この違いを理解することが、適切な技法を選ぶ第一歩です。
編み物の世界では、つなぎ合わせる「方向」と「目の状態」によって言葉が厳密に使い分けられています。
「とじ(綴じ)」は縦方向(段と段)をつなぐ作業
「とじ」とは、主に編み地の「端(側面)」どうしをつなぐ作業のことです。編み進めてきた高さ方向(段と段)を合体させる場合に使います。
代表例としては、セーターの身頃の脇線や、袖下の縫い合わせです。編み地の側面に表れる「端の目」をすくいながらつないでいきます。この「とじ」の代表格が「すくい縫い」です。
「はぎ(接ぎ)」は横方向(目と目)をつなぐ作業
一方で「はぎ」とは、編み地の「目(幅方向)」どうしをつなぐ作業のことです。針にかかっている休ませた目や、伏せ目をした後の目を合体させる場合に使います。
代表例としては、セーターの肩の縫い合わせや、靴下のつま先、スヌードの端と端の接合です。編み目そのものを針で追うように繋いでいきます。この「はぎ」の代表格が「メリヤスはぎ」です。
縦をつなぐのが「とじ」、横をつなぐのが「はぎ」と覚えておくと、編み図の指示を見たときにも迷わなくなります。
ゴロつかず伸縮性を保つ「すくい縫い」の仕組みと実践テクニック
まずは「すくい縫い(すくいとじ)」について深く掘り下げていきましょう。すくい縫いは、表側を見ながら作業ができるため、柄合わせや仕上がりの確認がしやすい非常に優れた技法です。
すくい縫いは「渡り糸(シンカーループ)」をすくうのが命
すくい縫いを行うとき、どこに針を入れるべきかで迷う人が非常に多いです。正解は、「端の1目め」と「2目め」の間にある横糸(渡り糸)です。
編み地を少し左右に引っ張ると、1目めと2目めの間にハシゴの桟のように渡っている横糸が見えます。この横糸を、とじ針で1本(または2本)ずつすくい、左右交互に糸を通していきます。
左右の横糸に糸を通したあと、糸をすっと引くと、端の1目めどうしが内側に引き込まれて隠れ、表からは2目めどうしが綺麗に隣り合ってつながります。
初心者が失敗しやすい点とゴロつきの原因
すくい縫いで「縫い代がゴロゴロと分厚くなってしまった」という場合、原因は明確です。端から2目めや3目めの深いところをすくってしまっているからです。
内側に巻き込まれる目数が増えれば増えるほど、内側に分厚い余剰分が溜まり、着たときに皮膚に当たってゴロつく不快な縫い目になってしまいます。必ず「1目めと2目めの間の渡り糸」をすくうことを徹底してください。
もう一つの失敗原因は、「とじ糸を強く引き締めすぎること」です。糸を強く引っ張りすぎると、編み地が縦にキュッと縮んでしまい、せっかくの伸縮性が完全に失われます。
すくい縫いをするときは、数センチ縫い進めるごとに編み地を縦横に優しく引っ張って、編み地の伸び具合ととじ糸の引き加減を馴染ませる作業を行ってください。
私ならこうする!すくい縫いの極意
私がすくい縫いをする際に実践している最大のコツは、「1段ずつ渡り糸を拾うこと」です。
時短のために渡り糸を2本(2段分)ずつ一気にすくう方法もありますが、極太毛糸でない限り、1本ずつすくった方が圧倒的に縫い目が滑らかで伸縮性も均一になります。
また、とじ糸には「本体を編んだのと同じ糸」を使用するのが原則ですが、モヘアやネップの強い糸、切れやすい糸の場合は、同色の滑らかなストレート糸(薄手のウール糸やレース糸など)を代用するのも賢い選択です。滑りが良くなり、ゴロつきを極限まで減らすことができます。
編み地がシームレスに繋がる「メリヤスはぎ」の仕組みと実践テクニック
次に、編み物の技法の中でも特に美しく、仕上がりの完成度を跳ね上げる「メリヤスはぎ」について解説します。
メリヤスはぎは「針と糸で新しい目を作る」技法
メリヤスはぎは、棒針にかかっている目(または休ませている目)どうしを、とじ針を使って編み目と同じループを作りながら繋いでいく技法です。
完成すると、どこがつなぎ目なのか全く分からなくなるほど完全に融合します。縫い代が一切発生しないため、内側のゴロつきはゼロになります。
さらに、編み目そのものを模して糸を通しているため、本体の編み地と全く同じ伸縮性を維持できるという最大のメリットがあります。
初心者が混乱しやすい「針の入れ方」とパニック対処法
メリヤスはぎが苦手とされる最大の理由は、「針を上から入れるのか、下から入れるのか分からなくなる」という点です。
手前の針の目と、奥の針の目に対して、交互に針を通していきますが、基本の動きは言葉で丸暗記するよりも「目のループを再現している」という理屈を理解することが近道です。
- 手前の目:表目のように針を入れて目を外し、次の目に裏目のように針を入れる
- 奥の目:裏目のように針を入れて目を外し、次の目に表目のように針を入れる
このリズムを崩さないことが成功の鍵です。途中で電話が鳴ったりして手を止めてしまうと、どこまで通したか分からなくなり、目がねじれて失敗します。メリヤスはぎをやるときは、一気に最後までやりきれる集中できる環境を作るのが私のおすすめです。
糸の引き加減が作品のクオリティを左右する
メリヤスはぎで失敗しやすいもう一つのポイントは、「出来上がる目の大きさ」です。
とじ糸を強く引っ張りすぎると、その1目だけが小さくなって引きつれ、横に一本の硬い線が入ってしまいます。逆に緩すぎると、大きな目がでろーんと伸びて目立ってしまいます。
目指すべきは、「周囲の編み目と全く同じ大きさにループを揃えること」です。
最初は少し緩めに針を通していき、5目ほど進んだところで、とじ針の先を使ってループの大きさを1目ずつ周りの目と同じ大きさに整えていくと、プロのような綺麗な仕上がりになります。
「すくい縫い」と「メリヤスはぎ」はどう使い分ける?実践判断ルール
ふたつの技法を理解したところで、実際に作品を作る際に「どちらを選ぶべきか」の具体的な判断基準をまとめます。
すくい縫いを選ぶべき場面
すくい縫いは、以下のような場面で最適な選択となります。
- セーターやベストの「脇線」や「袖下」(縦方向の段どうしをつなぐ場所)
- 帽子の後ろ側の縫い合わせ
- あみぐるみのパーツなど、しっかりとした構造的な強度が欲しい場所
- 模様編み(縄編みや鹿の子編み)の柄を美しく突き合わせたい場所
すくい縫いは適度な強度が生まれるため、衣類の形を崩さずに保持したい側面部分にぴったりです。
メリヤスはぎを選ぶべき場面
メリヤスはぎは、以下のような場面で威力を発揮します。
- 靴下の「つま先」(縫い代があると足の指に当たって痛くなるため)
- 肩の縫い合わせ(特にドロップショルダーなど、肩のラインを自然になじませたいデザイン)
- スヌードやカウルなど、輪にしてつなぎ目を完全に消したい場所
- 赤ちゃんの服や肌着(肌への刺激をゼロにしたい場所)
直接肌に触れる場所や、つなぎ目をデザインとして消し去りたい場所には、迷わずメリヤスはぎを採用してください。
初心者が迷いがちな「肩の縫い合わせ」私ならどう考えるか
ここで多くの方が迷うのが、「セーターの肩」です。本によっては「メリヤスはぎ」と書いてあったり、「引き抜きはぎ(かぎ針で繋ぐ方法)」や「かぶせはぎ」と書いてあったりします。
「伸縮性を保つならメリヤスはぎが一番良いのでは?」と思われがちですが、私なら次のように考えて使い分けます。
もし重いウール糸で編んだセーターの場合、肩をメリヤスはぎにすると、服自体の重みで肩が伸びすぎてしまい、着ているうちに首元がだらしなく崩れてしまう危険性があります。
そのため、あえて「伏せ目」をしてから「引き抜きはぎ」や「すくい縫い」を行い、肩にわずかな伸び止め(骨組み)を作ることも非常に理にかなった技法です。
逆に、軽量なモヘア糸や夏用のコットン糸、子供服などの場合は、着心地と当たりの柔らかさを優先して「メリヤスはぎ」を選択します。
単に「この技法が正しい」と丸暗記するのではなく、「その部位に強度が必要か、それとも柔軟性と無駄のない薄さが必要か」を基準に考えることが、脱・初心者の第一歩です。
仕上げを劇的に変える!とじ・はぎ前の下準備と道具選び
「すくい縫いやメリヤスはぎをやっても、なんだか綺麗にいかない…」という場合、技法以前の「準備」に原因があることが多々あります。完璧な仕上げを行うための下準備を整理しておきましょう。
1. ブロッキング(スチームアイロン)は絶対に省略しない
編み上がったばかりのパーツは、端がくるくる丸まっていたり、目が揃っていなかったりします。この状態のまま「とじ・はぎ」を始めるのは、失敗の元です。
必ず、パーツを編み終えた段階でマチ針で指定のサイズに固定し、スチームアイロンの湯気をたっぷりと当てて(直接アイロンを押し付けないよう注意!)、編み地を平らに整えて乾燥させてください。
端の目がしっかり見やすくなるだけで、渡り糸や目の頭をすくう作業のやりやすさが10倍変わります。
2. 端の1目をきれいに編んでおく
すくい縫いをする際、端の1目がビロビロに伸びていると、渡り糸が見づらくなり仕上がりも不揃いになります。
編む段階から、毎段の最初の目(または最後の目)を意識して均一な力加減で編むことが、未来の「とじ」の美しさを約束します。
3. 適切な「とじ針」を使用する
とじ針なら何でもいいやと、太さの合わない針を使っていませんか?
糸の太さに対して太すぎる針を使うと、編み地に大きな穴があいてしまい、目を傷める原因になります。逆に細すぎる針だと、糸が引っかかって糸割れを起こします。
毛糸の太さに適したサイズ(並太用、極太用、細糸用など)の「先が丸いとじ針」を用意してください。針先が丸いことで、毛糸そのものを突き刺して分割してしまうトラブルを防ぐことができます。
失敗した!つっぱった!そんな時のリカバリーと直し方
もし最後まで縫い終わったあとに「やっぱり引きつれて伸びない!」「縫い目が波打っている!」と気づいたらどうすれば良いでしょうか。
妥協してそのまま使ってしまうのは絶対におすすめしません。着心地の悪い作品は、結局タンスの肥やしになってしまうからです。
すくい縫いやメリヤスはぎの段階であれば、本体の糸を切りさえしていなければ、何度でも解いてやり直すことができます。
糸を切らずにとじ直す手順
とじ糸の端を探し、とじ針の尻(丸い方)を使って、縫い合わせた糸を後ろから順番に1目ずつ優しく引き抜いていけば、本体を傷つけることなく簡単に解くことができます。
「せっかく縫ったのに解くのはもったいない」と感じるかもしれませんが、2回目のチャレンジでは1回目よりも確実に手つきが慣れており、見違えるほど綺麗な縫い目になります!諦めずに調整してみましょう。
まとめ:丁寧な「とじ・はぎ」で手編み作品を最高の一着に!
今回は、編み物作品のクオリティを劇的に高める「すくい縫い」と「メリヤスはぎ」の使い分けや、ゴロつき・つっぱりを防ぐノウハウについて詳しく解説しました。
ポイントを改めて振り返ってみましょう。
- 「とじ(すくい縫い)」は縦方向(段)の接続。端の1目めと2目めの間の渡り糸をすくう
- 「はぎ(メリヤスはぎ)」は横方向(目)の接続。編み目と同じループを作るので縫い代ゼロで伸縮性抜群
- 強度の欲しい脇や側面はすくい縫い、シームレスにしたい端やつま先はメリヤスはぎを選ぶ
- どちらの技法も、強く引きすぎず、周りの編み地と同じ伸縮性・目の大きさを保つことが最重要
- 作業前のスチームアイロン(ブロッキング)が成功の8割を握る
編み地の仕上げは、一見地味で根気のいる作業に見えますが、ここを丁寧に仕上げることで「既製品のような美しさ」と「手編みならではの優しく心地よい着用感」の両方を手に入れることができます。
焦らずに1目ずつ心を込めてつなぎ合わせ、あなたの手で作った大切な作品を、最高の状態に完成させてあげてくださいね!
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ではでは、また次の記事でお会いしましょう!クラフターズのやっしーでした!

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